はじめに|「お手入れ」はご供養の一部です
仏壇は、亡き方との大切なつながりであり、ご先祖様が安らかにおられる“家の中の聖域”です。
吉村佛法堂は、地域に根ざした仏壇店として60年以上、たくさんのご家庭にお仏壇を届けてきました。
「仏壇って、どのくらい掃除すればいいの?」
「間違ったお手入れで傷めないか心配…」
そんなお声もよくいただきます。
今回は、**二代目店主の経験から「正しい仏壇のお手入れ方法」**をお伝えいたします。
仏壇のお手入れ、なぜ必要?
お仏壇は木製のものが多く、ほこりや湿気、手垢などで劣化が進むことも。
でもそれ以上に――
お手入れを通して、亡き人に「今も思っていますよ」と伝える心が、何よりの供養になります。
忙しい毎日でも、週に1度、月に1度、ほんの数分でも構いません。
“心を込めて手を動かすこと”が、何より大切なのです。
【仏壇のお手入れ方法|基本編】
1. 毎日のお手入れ(3分)
- 灯明(ろうそく)の跡を確認して拭く
- 香炉灰の表面をならす
- 花立の水を取り替え、枯れた花は処分する
※仏具を扱うときは、感謝の気持ちで丁寧に
2. 週に1回(5〜10分)
- 柔らかい布で仏壇全体のほこりを軽く拭き取る
- 金箔部分や漆塗り部分には乾いた布を使う(絶対に水拭きしない)
3. 月に1回(15分〜)
- 仏具を取り外して、1点ずつ乾いた布で磨く
- 香炉の灰をふるいにかけて、汚れた灰は新しいものに交換する
【素材別|仏壇のお手入れの注意点】
素材 | NG行為 | 推奨方法 |
---|---|---|
金箔 | 水拭き、強い摩擦 | 羽根ばたきややわらかい刷毛で軽く払う |
漆塗り | 化学洗剤 | 乾いた柔らかい布で優しく拭く |
ガラス扉 | 研磨剤入りの布 | メガネ拭き用クロスで優しく |
お手入れを通じて、心が整う
「汚れを取る」という行為は、心のほこりを払う時間でもあります。
仏壇を拭いていると、自然と亡き人への感謝が湧いてきたり、
悩んでいたことが少し整理されたり――
それが“ご供養”であり、“癒し”でもあるのです。
おわりに|「お掃除は、祈りの延長です」
仏壇のお手入れは、ただの掃除ではありません。
**手を動かしながら、心を向ける“祈りのひととき”**です。
60年続いた吉村佛法堂だからこそお伝えできる、
「守り伝える心の在り方」を、これからもブログで発信していきます。
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