こんにちは!吉村佛法堂HP管理人のホリです。
2025年4月6日、奈良・飛鳥の魅力を体感できる「恋する飛鳥2025」イベントの一環として開催された、塗香(ずこう)体験ワークショップに参加してきました。
今回のブログでは、その様子をレポートします!
1. 飛鳥で行われた素敵なイベントに参加!
「恋する飛鳥2025」は、歴史ある飛鳥の地で“本物”を体験できるワークショップやガイドツアーが集まるイベント。
私が参加したのは、「香り」で心を整える体験——塗香づくりのワークショップです。
場所はキトラ古墳のほど近く、自然に囲まれた落ち着いた空間。参加者も年齢層が幅広く、初対面同士でも和やかに楽しめる雰囲気でした。
2. そもそも「塗香」ってなに?

「塗香(ずこう)」とは、粉末状の香を身体に塗って清める、仏教に由来する伝統的な香りの習慣です。
起源は古代インドまでさかのぼります。かつてインドでは、沐浴できないときに身体を清める方法として、香木の粉などを身体に塗っていました。これが後に仏教とともに日本に伝わり、儀式や修行前の“身を清める”目的で用いられるようになります。
お寺で僧侶が使っている香り、と聞くと少し敷居が高く感じるかもしれませんが、実は現代でもリラックス効果や集中力アップ、セルフケアとして活用されています。
3. 講師紹介:香りの世界を案内してくれたのは岡本直子先生
今回のワークショップをナビゲートしてくださったのは、飛鳥地域プロガイド岡本直子(おかもとなほこ)さん。

ツアーガイドやワークショップ講師として、飛鳥地域の素晴らしい歴史や文化を発信されています。
岡本さんは、ただ香りを紹介するだけではなく、
- 古代から珍重された香の歴史
- 戦国武将たちが香をどのように用いていたかという逸話
- 香りをどのように“調香”するのか
などのお話を、初心者にもわかりやすく、そして楽しくお話しくださいました。
飛鳥地域プロガイド・岡本直子さんの詳しいプロフィールは(公)古都飛鳥保存財団の広報誌「飛鳥びと」から
※PDF2枚目の冒頭に岡本講師のインタビュー記事が掲載されています。
⇓ 公式ホームページで「バックナンバー2025年春、夏号No,20」を開いてみる
https://www.asukabito.or.jp/magazine.html
⇓ 直接PDFファイル(バックナンバー2025年春、夏号No,20)を開く
https://www.asukabito.or.jp/upload/pdf/701975956.pdf
参加者の皆さん、大きく頷いたりメモを取ったりと、終始熱心な様子でした。
和やかで柔らかな語り口と、香りに対する深い知識を兼ね備えた、まさに“香りの伝道師”のような存在。岡本講師のナビゲートで、香りの世界がぐっと身近になりました。
4. ワークショップの様子
まず最初に、岡本講師から塗香の歴史や使い方について丁寧な説明があり、参加者はみな真剣に耳を傾けていました。
そして、いよいよ自分だけのオリジナル塗香を作っていきます。

香料のひとつひとつの香りを確かめながら、「この香り、懐かしい!」「これは落ち着くなぁ」と感想が飛び交います。まるで自分の“内面”を香りで表現しているような、不思議で豊かな時間でした。
5. 10種の香材で自分だけの香りを創る体験!

香材紹介
・山奈(さんな)
乾燥させた根をすりつぶして使う。甘くさわやかな香りで、香りの持続性があるため香料やスパイスとしても使用される。
・甘松(かんしょう)
根茎から得られる香料。甘くてウッディな香りで、沈香などと合わせて香調を整えるのに用いられる。
・零陵香(れいりょうこう)
南アジアに分布する常緑多年草。甘くスパイシーな香りで、芳香性が高く、他の香料とよく調和する。香袋などにも使用される。
・桂皮(けいひ)
シナモンとして知られる香料で、樹皮を乾燥させたもの。甘く温かみのある香りで、香水やお香、料理などに使われる。
・龍脳(りゅうのう)
樹脂を結晶化させたもの。スーッとした清涼感のある香りが特徴で、清涼感を加える目的で使用される。
・大茴香(だいういきょう)
八角とも呼ばれる香料。甘くスパイシーな香りで、料理だけでなく香料としても使用される。
・白檀(びゃくだん)・新山白檀(しんざんびゃくだん)
サンダルウッドとして知られ、古くから高級香木として珍重されている。甘くて深みのある香りが特徴。白檀は一般的にインドや東南アジアから輸入される香木で、古くから香りが高く評価されています。一方、新山白檀は日本国内で生産される香木で、主に九州産が知られています。品質や香りには微妙な違いがあります。白檀の柔らかく優雅なスパイス感に対して新山白檀は、ややシャープで透明感のある香り
・丁子(ちょうじ)
クローブのこと。蕾を乾燥させたもので、非常に強い芳香を持つ。防腐作用があり、古くから香料や薬用に使われてきた。
・藿香(かっこう)
ミントに似た清涼感のある香り。気分をすっきりさせる作用があり、芳香剤や香料として使われる。
ひとつひとつの香りを確かめながら、自分の好みや気分に合った配合を見つけていきます。
香材をブレンドする作業はとても繊細で、まさに“香りの調合師”になった気分。

10種類もあって、迷ってしまいます。あれもこれも混ぜてみたい欲望にかられますが、、、そんな時!
絶妙なタイミングで講師からのアドバイスが
「たくさん試したい気持ちは分かりますが、好きとか、気分いいいと感じる香りだけ選んで分量を調節する感じが大切です」
と、私の欲望の暴走にブレーキをかけてくださいました(笑)
試行錯誤で完成した塗香に「涼殿香(りょうでんこう)」と名前を付けて愛着も10万倍です。
塗香は、イベントオリジナルの素敵な小瓶に入れて持ち帰りでき、その後も手のひらに塗って香りを楽しめます。

また時間を経ると香りが熟成するとか。これからどんなふうに育ってくれるのか楽しみです。
まとめ:香りで「自分に戻る」時間を
塗香はただの香りではなく、「心を整える」ための素敵な道具だと実感しました。
今回のワークショップで得た体験は、日常の中でも活かせそうです。たとえば、朝のスタート前に塗って気持ちを切り替えたり、お寺参拝の前にそっと手のひらに塗って心を整えたり。
吉村佛法堂でも、塗香の魅力や使い方についてこれからもっと発信していきたいと思います!
レポート執筆はホリでした♪
秋には、また塗香ワークショップを開催されるそうです。
情報はこちらで発信される予定ですのでお見逃し無きように
国営飛鳥歴史公園公式ホームページ
https://www.asuka-park.jp/event/
参考:恋する飛鳥2025 ワークショップ「飛鳥時代と香り~塗香体験~
https://www.asuka-park.jp/event/koisuruasuka2025-workshop-zukou0406/
注)このイベントは終了しています。秋のイベント案内をお待ちください。
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